プレゼン研究室

第二章 CM業界A面、B面                            11)「マーフィーの法則・広告篇 」

11)「マーフィーの法則・広告篇 」 建築家のKへ

 このあいだは楽しかった。例の「マーフィーの法則」をサカナにした酒飲み話。注文建築の設計をやっているKならではの、建築家版「マーフィーの法則」。
 
「依頼主の満足度は、いかに希望をかなえてあげるかではなく、いかに上手に諦めさせるかで決まる」とか、「奥さんが参加しない打ち合わせは、あとでかならず変更が入る」とか、面白かった。シニカルではあるけれど、たしかに核心を突いていたりするんだよね。
 あのあとで、僕もいくつか思いついたので書き出してみました。
 「マーフィーの法則(広告篇)」

● 決定権のある人は、常に、ひと通りプレゼンテーションが終わったときに会議室に現われる。
● プロデューサーがスタッフに言う「今度なんとかするから」の「今度」は、少なくとも十年単位である。
● 広告会社の営業担当者がCMプランナーに言う「99パーセント大丈夫」は、99パーセント大丈夫でない。

● プレゼンテーションで反応のある人には、決定権がない。
● 自分が遅れた会議は、定時に始まっている。
● オーディションで、いちばんかわいいと思うモデルは、必ず最終選考で落ちる。

● 商品を見て最初に浮かんだアイデアが、結局はいちばんよい。
● 怖い顔の人ほど心が優しい。
● コピー機の調子が悪くなるのは、必ずプレゼンテーション直前である。

● 一緒に仕事をしたいクライアントの担当者ほど異動する。
● 仕上げを急がされた仕事は、仕上がってからオンエアまでに時間がかかる。
● 決定が出るまでに時間のかかった企画ほど、ひっくり返る。

● 宣伝部長命令の改訂は、どう直しても気に入られることはない。改訂を部下に命じたこと自体が、すでに不愉快なのである。
● 終電が出ないと撮影は終わらない。
● 撮影まで問題を持ちこさないのが鉄則。よって、スタジオでボケーとしているプロデューサーは優秀である。

● カメラマンの厳しさと、助手の黒装束度は比例する。
● 「無理に押し付けるつもりはないけど」というクライアントの発言は「オーダー」プラス「私は嫌われたくない」である。
● 上司の言う「たとえば」はオーダーである。

● 音楽録りで、直してほしい箇所に気づくのは、プレーヤーが帰った後である。
● 時間のない仕事は、撮影を境にクライアントと制作者の力関係が逆転する。
● AB両タイプを編集して見せると、必ず決まってほしくないほうに決まる。

● 宣伝部長のお嬢さんの意見は、影響力において課長十人分に匹敵する。
● 肩書が付くと、男は女性化する。
● (広告篇から離れるが)「私の履歴書」で四十代を詳述する人はいない。偉くなった人は四十代のことは書きにくいものらしい。

● 人のプランに賛成するのは、反対するより勇気を要する。
● 女性化粧品が得意な演出家に美男はいない。
● 四十代以上の人が言う「好きな若手ミュージシャン」とは、彼の娘、あるいは息子の好みである。

● 打ち合わせでは、ちょっと席をはずしたとたんに、いちばん大事なことが決まっている。
● 会いたくない人とは、いちばん会いたくない場所で会う。
● ストレスがたまる仕事ほど、クライアントからは好人物との印象をもたれる。
● 働けば働くほどハードルは高くなり苦しくなる。ラクすればラクするほどハードルは低くなりラクになる。

 これ以上書くと、なんだか落ち込んでしまいそうな気分。「マーフィーの法則」に流れているデジタルでシニカルな思考が、僕にはちょっとついて行けないのかもしれん。遊びとしては面白いんだけどね。では、また。

● 十五秒間、真っ白なCMが出たことはない。すべては時間が解決する。



1件のコメント:「第二章 CM業界A面、B面                            11)「マーフィーの法則・広告篇 」
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