プレゼン研究室

「はじめに」

「はじめに」

 僕が、この本を読んで欲しいと思っているのは次のような人達である。

 これから広告の世界で働いてみたいと思っている人。企業の宣伝・広報関係の部署にいる人。広告会社、CMプロダクション、あるいはフリー・スタッフの立場で広告制作の現場にいる人。仕事とは関係ないが、広告が好きな人。広告が好きじゃない人。

つまり、「広告なんて大嫌い!」という人でなければ、誰にも面白く読んでもらえると思っている。

初めにお断りしておくが、本書は広告業界の面接の達人を養成するものではない。広告名人が自らの広告ジンセーを振り返って、後進に道しるべを残そうとするものでもない。成功する広告キャンペーンのノウ・ハウを伝授するものですらない。ましてや、ヒットCMをネタに時代を斬ろうなどという大それた了見などは持ち合わせていない。

世に広告の本はゴマンとあるが、「広告という仕事」を悪戦苦闘しながらも続けている現役のCMプランナーが、日々の格闘とつぶやきをこれほど丹念に、よくもまあ飽きもせずに書き綴ったものは、他にはあるまいと自負している。

 書いた手紙は全て私信である。実際に出したものもあれば、引出しの中で眠ったままの物もある。広告の制作者である僕と、生活者である僕との間を行ったり来たりしながら、折にふれて感じたことや考えたことのあれこれ。アイデアの浮かばない深夜のデスクで、ライトの届かない撮影スタジオの片隅で、編集室で、ミキシング・ルームで、そして一本のCMを仕上げた後の軽い虚脱感を楽しみながら歩く舗道で、僕は誰かに話しかけてみたかった。

何かの役に立つなどということは全く考えないで書いたが、どう読んでもらっても自由である。あなたが学生であるなら「体験的職業案内」として読んでもかまわない。あなたがクライアントの立場であるなら「CMプランナー操縦法」として読んでもいい。さらに、仕事と直接の関係はないが広告に興味があるという人は「CMの舞台裏レポート」として読んでも差し支えないし、単にヒマつぶしの「広告エッセイ」として読んでもらっても、それはそれで一向に構わないのである。



Comments are closed.

page top
カレンダー
2018年5月
« 4月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
検索
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
最近のコメント
copyright(c) hayashi yasuhiko.com
contact