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陶芸教室にケーブルTVの取材

ケーブルTV・JCNの取材がありました。
噺家で切り絵師の柳家松太郎(やなぎや・しょうたろう)さんが、教室に立ち寄ってくれました。
番組名は「駅からマップ」。今回は京成津田沼駅から散歩をスタートして、見ごろを迎えた谷津バラ園までの道で出会うあれこれを紹介するそうです。

以前に何度か見た番組で、地元についての発見もあって、なかなか良い番組だと思っていました。
一週間ほど前にディレクターが一人でふらっと寄って、今回の取材が決まりました。
「ロクロを挽いてみましょうか」、というお決まりの方向に誘導してしまいましたが、
松太郎さん、まったくの初めてということでしたが果敢に挑戦されました。

回転するロクロの上で作りかけた湯飲みがすっ飛んで・・・・盛り上がる、などという
けしからんことを期待していました。

始めてみると、その集中力に驚き。
切り落としたらもう戻せない、切り絵師として磨いた集中の仕方を感じました。
一度目から、土玉がちゃんと両手の中で回っているのには舌を巻いた。
これなら基本の湯飲みではなくて、もっと高度なことができるかもと欲が出て、
皿を作ってもらうことにした。

いやはや器用なこと。底が少しへこんでいるものの、立派な皿ができた。
切り糸で切る方法をアドバイスしたら、それもすっとできてしまった。

おそらく教わり方がうまいのだ。教わったとおりのことをそのままやってくれる。
これがなかなかできないことを、自分が教えるようになって知った。
切り絵の師匠に弟子入りしたときのことも話に出たが、
全部受け入れて従うことが、おそらく技を受け継ぐための唯一の方法なのだ。
それを習い性として、身につけておられるのだろう。

「ものを作るのにこれだけ集中した経験は、陶芸が初めてです」という
印象的な感想が聞けた。
ともかく、皿ができてしまった。これが、その皿。
径12センチ。本人は酒が飲みたいとのことで、それなら杯(さかずき)だ。

さて、ロクロへの挑戦が終わって、切り絵の時間。
「何か切ってほしいものを言ってください」
そこで、無理とはおもいながら「ロクロを挽いてる姿」を頼んでみた。
ほんとうに、なんの打ち合わせもナシである。

ロクロに集中していたから、僕の姿など眼中になかっただろうに。
そうしてできた切り絵がこれ。


ロクロまでちゃんと切ってある。
左手が上がっているのには理由があって、
ロクロを挽くときには脇を開いて、指先は下を向けるように
アドバイスしたとおりの姿(これは僕が唐津焼の吉野靖義さんに教わったこと)。
僕の横顔は・・・メガネまでかけている。むむむ、たしかに似ている(ちょっといい男すぎるが)。

柳家松太郎さんとスタッフが帰ったあとで気が付いたことがある。
初めてロクロをやると、たいていはドベ(粘土のヌタ)が服に付いてしまう。
今でこそ服に付かなくなったが、始めて数年間は服がよく汚れた。
ところが松太郎さんの服には(袖も長かったのに)ドベが無かった。

ほんとうにロクロ、初挑戦だったのだろうか。
もしもそうなら、大したものだ。

皿は、希望を聞いた釉薬をかけて焼く予定。
焼けたらもういちど撮影に来てくれるそうだから
放送では、焼きあがった皿が披露できそうだ。

こういう小回りがきくところが利くところが、
ケーブルTVならではの良さだろう。

教室が休みだったため、応援で来てもらった会員たちと記念写真!
(あれ?打ち合わせなしでふらりと立ち寄ったんじゃなかったっけ!?
また、そんな素人みたいなことを・・・)

ちなみにケーブルテレビ局は「JCN船橋習志野」。

千葉県西部(野田市、流山市、松戸市、市川市、船橋市、習志野市、千葉市、葛飾区)で見られます。
番組名は「駅からマップ」。
2011年11月/1日~11月/9日に放送されます。放送時間は番組ホームページでご確認ください。

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これが完成した酒杯。「利き酒用のさかずきの模様を入れたいなぁ、染付じゃなくて、もっと薄い感じで」

とのことだったので、トルコ青で模様を入れた。



スティーブ・ジョブズ氏の逝去。

アップルの創立者で元CEOのスティーブ・ジョブズ(56歳)が10月5日に亡くなった。と言っても、彼についての知識といえば、「驚異のプレゼン」など数冊の本からのものだけだ。

なにか感想でも書こうと思って、ネットで検索してみたら日経オンラインの関連記事の中に
私の「歴史を動かしたプレゼン」の書評が載っていて驚いた。2010年9月6日の記事
出版社経由でも知らせてもらってないから、「ダマテン」なのだろう。他人の本を俎上に上げるなら、知らせてくれるくらいはしてくれてもいいのにと思う。好意的に書いてくれているのでなおさらだ。

さて、スティーブ・ジョブズ氏。本を読んだときに思ったのは、「彼のプレゼンがすごいのではない。すごいのは商品だ」ということ。「iPhone」、「iPad」という商品を世の中に発表するとき、下手なプレゼンができるのならやってみてほしい。彼が発表のときに使う小道具の巧みさ、登場の仕方など、細かいことを取り上げて「プレゼンの天才」という人がいる。そこを見てしまうと、何も学習できないのではないか。

プレゼン自体の素晴らしさを言うなら、世界にこれまで存在しなかった遊び心いっぱいの製品を、遊び心いっぱいに、つまり「素直に」紹介したことだ。開発戦略から発表時のイメージ戦略までがブレることなく一貫している。スティーブ・ジョブズというアーティストが、作品をはじめて発表したのがプレゼンという場だった。

彼の使った小道具やパフォーマンスに目を取られて、カッコイイ!とマネするのは愚かなことだ。学ぶなら次の点。製品と世界観を共有するアイデアが散りばめられたプレゼンが行なわれたこと。

 広告の大先輩がこう言った。「良い企画(広告会社では企画、製造業では製品)をヘタにプレゼンするのは難しい。だから企画にエネルギーを注げ」

※先日、以上を書いたのですが、思いついたことがあるので書き足します。
CMプランナーがプランを持ち寄る会議で、自分のアイデアを発表するときに
妙なクセのある人がいた。プランを出す前に、かならず「クスッ」と笑ってから説明を始める。自分が思いついたアイデアが、もう面白くてたまらないらしい。
それをやられると、こちらに準備が整ってしまう。つまり、「かなり面白いんだろうな」、という期待感が、である。

自分の頭の中から出てきたものが面白くてたまらない、というパフォーマンスで製品を発表したジョブズのことを考えていたら、そのプランナーのことを思い出した。

 プレゼンや発表をするときには、これをみなさんに提案、発表できることがうれしくてたまらない、という気持ちを最初に聴衆に伝えたいものだ。(2011 10/10)



ベランダの四季 4、九月の花

季節の変化に追いつかなくなってしまった。
そこで、今回は今月咲いてくれた花をバタバタと並べます。

睡蓮
ベランダの「池」に咲いた。池と呼んでいるけど、じつはセメントを練るプラスティックの箱に水を溜めたもの。工房からクズ粘土を持ってきて、植木鉢につめて地下茎を植えた。粘土にはイワシの煮干を入れた。睡蓮は魚から栄養分をもらうのだ。わがベランダの池に来て6年ほどになる。

昼顔
洋物だ。ケープタウンなんとかという名前がついていたと思う。おそろしいほどの生命力。宿根で、たしか4年目になる。手すりを這ったあと、桜の樹に登った。ちなみに桜は一昨年から花が咲くようになった。ぐい飲みに日本酒、そこに花びらを一枚浮かべるのが花の季節の定番になった。

槿(むくげ)
伊豆の民家になんとも色の良い槿が咲いていた。10年ほど前のこと。数本もらってきて挿し木にした。一本が根を下ろした。鉢植えのせいか、土の養分の違いか、あの民家の槿の色にはかなわない。


これも伊豆の山の中で調達。冬に切り詰めるが、見事に枝を伸ばす。

これらの写真は、すべて先週の台風の前に撮ったもの。
風で傷んだものもあるが、大きな被害はなかった。



ベランダの四季 3パッションフルーツ

 南国のフルーツが我がベランダで伸び伸びと育っている。種は沖縄生まれで、ひょんなことで知り合った沖縄の女性からいただいたパッションフルーツ。僕の2冊目の本「週末陶芸のすすめ」を購入したいとメールをもらった。せっかく沖縄からなので、おカネのかわりに物々交換しませんかと提案して、僕が本を送り、沖縄からはずっしりと重いフルーツ盛り合わせの箱が届いた。どう考えても僕が得をした物々交換だった。

その箱の中にパッションフルーツも入っていた。噛んだときのプチプチと弾ける感触が好きなのだが、少しの量だけ潰すのを我慢して植木鉢に蒔いて・・・。
蒔いてと言っても、ドロッとしているから土にこすり付けて、土を少量すくって上からパラパラ。あれはたしか3年前の秋のことだった。芽が出て、ヒョロッとしたツルが伸びた。大丈夫かなと心配になるような細さで、寒さを避けて部屋に入れてやった。

 息も絶え絶えといった状態だったが、5株の苗が冬を越して、5月になってベランダへ。夏になってからの伸び方は異様だった。支えの渦巻き支柱をぐんぐん登り、支柱は僕の背の高さまでしかないので、ツルは方向転換させてふたたび下方へ。もういちどテッペンに届いたあたりで、秋になった。たくさん花が咲き、実を付けたのだが、霜が降りる前に部屋に入れた。せっかく伸びた枝を切り詰めたが、実は5個ほど残した。

 部屋の中では日光が足りず、実が落ちるようになった。そして春がめぐってきたと思ったら、最後まで残っていた1個が力尽きた。

 今年、5月になって再びベランダに出した。直径40センチほどの大鉢に植え替え、ツルは思い切り(10cmほどに)切り詰めた。5株のパッションフルーツは、梅雨に入るとツルを伸ばし始めた。様子をうかがっているような伸び方だったのが、7月に入ると暴力的な成長を見せた。背にして立つと、腕に絡まれるのではと妄想させられるほど巻きヒゲが伸びる。しかもヒゲは強靭で、他の植物に絡みつくと、なかなかはずせない。

 8月の中ごろに涼しい日が続いて花が咲いた。しばらく置いて、この2、3日、また数多く咲くようになった。時計草に似た美しい花を咲かせる。宇宙ステーションを思わせたりもする。どこか不気味なのは、あの成長の速度を知っているからか。
今年はフルーツを味わえるだろうか。楽しみにしよう。



ベランダの四季 2「芙蓉(ふよう)」

 酔芙蓉の次が芙蓉では、いかにも芸がない。とはいえ、僕の九州時代、徒歩通勤の途中で出会う芙蓉にはずいぶんと励まされた。2001年の春に出版した「週末陶芸家になろう!」には、こんなふうに書いている。
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 単身赴任している福岡では、人恋しさも手伝って植物に声をかけるのがクセになった。徒歩通勤の途中で出会う芙蓉(ふよう)の花が好きだ。小川の石垣のすきまに根を張ってがんばっている。初めて見たときには腰ほどの背丈だったものが、今では僕の背丈をこえた。水の上に枝を広げた姿は風格さえ漂わせている。毎年、7月20日ごろに最初の花を咲かせる。薄桃色の端然としたなかに艶(えん)を含んだこの花に出会うと、今年も夏が来たんだと実感する。「あ、咲いたねぇ。今年は涼しい日が続いたから、まだまだだと安心してたんだろう。急に夏が来たからあわてたよなぁ」と、声をかけたりしている。はたからみれば、気の変なおじさんである。通勤の途中で足を止めてスケッチブックを広げたことも何度かある。
 なぜ植物が好きなのかをあらためて考えてみると、その健気さにあるのではないかと思う。植物は、あきらめるということを知らない。石垣のすきまにほんのわずかでも土があれば、そこに希望を託す。盛夏をとっくに過ぎて、もうすぐ霜の季節を迎えようという頃になっても、芙蓉はせっせと蕾を準備している。一人暮らしをしながら、僕は植物にどんなに励まされたことだろう。最近の遺伝子の研究によると、植物の遺伝子と同じものが人にも伝わっているのだそうだ。(以上、「週末陶芸家になろう!」2001年双葉社より)

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  じつは、東京に戻って2年ほどして、出張で福岡に行く機会があった。夜、僕はある企みを胸にホテルを出た。中心部の天神から新川ぞいの道をたどる。いつも通った通勤路だ。川の護岸は一部コンクリートになっていたが、そこは石垣のままで、芙蓉も同じ場所にあった。冬枯れして黒々と枝を広げた芙蓉に、声を掛けた。「折るよ、ちょっと我慢してな・・・」にぶい音がして手に枝が残った。持ち帰って挿し木にするつもりだ。1本ではこころもとない。4本ほど折った記憶がある。ホテルのトイレットペーパーを水で濡らして、枝の折った部分に巻いた。乾燥しないようその部分をポリ袋に差し込んで輪ゴムで巻いた。
 自宅のバケツに水を張って入れて置いたら、梅雨の頃になって内2本が根を出しているのを発見。植木鉢に移してやった。2本とも大きくなって、毎年冬には切り戻すが、夏には僕の背くらいに育つ。鉢植えのせいだろうか、花が遅く、毎年8月が終ろうとするころになって咲き始める。今年、第一号は8月28日に咲いた。



ベランダの四季 1「酔芙蓉(すいふよう)」

個展が終わって、落ちついて我がベランダを見回すと、様々な草花が目に入った。
夏の間、一日も欠かさず水遣りしていたが、ゆっくり眺めたのはひさしぶりだ。
自分が好きな草花を植えたり移植したりしているうちに、ベランダとは思えないほど、
野趣も出てきた。
野趣の出どころはというと、僕が手入れをしないせいも大いにある。もとは何を植えていたのか定かではない、「雑草鉢」と化したものもある。それはそれで風情があって好きだ。
「ベランダの四季」と名付けて、我がマンション7階のベランダで逞しく生きている草花を紹介してゆくことにしよう。
第1回は「酔芙蓉(すいふよう)」


 どこからか綿毛の種子が飛んできて、ベランダの島ラッキョウの鉢に落ちた。
そこで根を伸ばし枝を張ろうと考えたのだから、この酔芙蓉は根性がある。
そう、ベランダには「島ラッキョウ」の鉢があって、新鮮なそれは酢味噌をつけて晩酌の肴になるのだが、それはまた今度紹介しよう。
どうも芙蓉らしいと気がついたときには、5センチほどに育っていた。それが一昨年のこと。
鉢に移したのが去年の冬。大ぶりの鉢に移したのが今年の冬。今年の夏、初めて花をつけた。午後になっても、それほど酔っ払った様子もなく、顔に出にくい性分のようだ。ほんとうに酔芙蓉かどうかちょっと怪しいのだが、しぼんだ花は紅く変わっているので間違いないようだ。
酔芙蓉といえば八重の花だと思い込んでいたが、ネットで調べると一重のものもあった。どこから飛んできたのか知らないが、マンション7階のベランダに落ち着くことに決めたのだから、世話してやるしかないだろう。



個展が終わって

個展が終わって2週間が経った。
今日は箱書きしたものを抱えてそごう千葉店に行った。
なかでも大角皿を収める桐箱は、縦35センチ×横60センチという代物。
昨日から暑さが戻ってきて、空箱とはいえ、やはり抱えて歩くのはしんどかった。

一輪挿し(南瓜の花文)をお買い上げのお客様から、先日メールをもらった。
こんな写真が添付されていた。


「ちょっと花が多すぎですね(汗)」とあった。

いいんです、自由に使ってください。
自分が作ったものが手を離れ、こうして新しい場所で、
新しい役割を演じ始めたことに、不思議な感動を覚えます。

少し話しただけでも、気が合いそうに思える人なら、
自分の分身も、その人と相性が良さそうに思える。

こう書いてきて気づいたのですが、以前の自分とは少し変わったようです。
気に入った作品が売れると、以前の私は、思わずにらみつけていた。
おかしいですね。
こんなにいっしょうけんめい作ったものが、おカネでやり取りされるのが
理屈ではなくて、口惜しい。

ギャラリーの取り分を自分が払ってでも取り返したい!
そう思いつめたことも。

今回は、手元に置いておきたいという気持ちはあまりなくて、
喜んでもらえてうれしい、と素直に思えます。
どうしてなのか、理由はわかりませんが、
やはりちょっと変わったんですね。

大きな角皿をお買い上げの方からもメールをいただいて、
周りの人に見せてくださっている様子。

作った人間にしてみると、死蔵されるのがいちばんつらい。
どうぞ生活の中で使ってください。
生活を楽しくするのに役立つのが、工芸なのですから。

★★個展に出品した作品を、陶芸教室のホームページの中に一部掲載しました。



メールマガジンvol.21

新刊本のお知らせや個展のご案内、その他,
思いつくままに綴ったものをメールマガジンとして
お送りしています。
以下は8月20日にお送りした最新のメールマガジンです。

配信をご希望の方は下記のアドレスにご連絡ください。
yasuhikoアットマークpersonal.email.ne.jp
(ご面倒ですが「アットマーク」を@に変えてください)
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■■■ 林 寧彦 Hayashi Yasuhiko  
▼▼▼ メール・マガジン  Vol.21  
■■■  2010/08/20 

■「林寧彦 陶展」(そごう千葉店7階美術画廊 8/2~8/8)が無事終了しました。

21坪の会場に190点あまりを展示いたしました。
猛暑の中、遠くまでお運びいただいたこと、感謝申し上げます。

案内をお送りするのがギリギリになってしまいましたが、
県内から、そして都内からもお運びいただきました。
遠く、伊丹市から日帰りという方もいらっしゃって、ありがたいことです。

会場でいただいた様々なご感想、アドバイス、励ましに感謝申し上げます。
4年ぶりの個展でしたが、やはり人の目に触れる機会を持つことが大切だと、
あらためて感じました。
皆さまからのお気持ちを糧に、精進いたす所存です。
準備はたいへんでした。
会期の始まる二週間前まで、粘土と釉薬の相性が悪くて悪戦苦闘の連続でした。
なんとか中止できないものだろうか、とまで思いつめました。
寝られなくなって、朝4時過ぎには工房に顔を出す日が続きました。

時間切れギリギリの時に、「これなら!」というものが上がり、
そこからは二基の窯が冷める間もなく焼き続けました。
7月の窯焚きは、思い出しても汗の出る炎熱地獄でした。。

今回新しく挑戦したのは「襲(かさね)織部釉」と名付けたもので、
織部釉の下で別の釉薬を発色させて絵を描きました。
いにしえの重ね着の美学。衣を重ねることで生まれる色の美、
「襲(かさね)」から言葉をもらいました。

それにしても、個展に向けて、どうして僕は新しいことをしてしまうのでしょう。
これまでも個展のたびにそうしてしまってたいへんな思いをしてきました。
今回、それだけはしないぞ、手馴れた釉薬を使って作ろう、
そう誓って準備を始めたはずなのに、やはり未知の釉薬を作ってしまいました。
深山の湧き水を思わせる(とコメントくださった方も)
涼やかな風情のやきものができました。

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■津田沼陶芸教室(主宰・林寧彦)は、9月から夜クラスが始まります。
 金曜の夜クラス(18時~21:30の内の2時間半)開設。
詳しくは⇒http://www.ne.jp/asahi/yasuhiko/hayashi/tsudanuma/studio.htm



メールマガジンvol.20

新刊本のお知らせや個展のご案内、その他,
思いつくままに綴ったものをメールマガジンとして
お送りしています。
以下は7月31日にお送りした最新のメールマガジンです。

配信をご希望の方は下記のアドレスにご連絡ください。
yasuhikoアットマークpersonal.email.ne.jp
(ご面倒ですが「アットマーク」を@に変えてください)

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■■■ 林 寧彦 Hayashi Yasuhiko  
▼▼▼ メール・マガジン  Vol.20  
■■■  2010/07/31 

今年の桜は地味に咲いたと言った人がいました。
桜が変わったわけではなく、見る人の心象が変わったせいでしょう。

盛夏がめぐってきました。
4年ぶりに開く個展のご案内です。
暑い時期で申しわけありませんが、ご高覧いただければさいわいです。

■林寧彦 陶展 http://www2.sogo-gogo.com/wsc/512/N000040411/0/info_d
■会期 8月2日(火)~8月8日(月)(8月は休まず営業)
 営業時間 午前10時~午後8時(最終日は午後5時まで)
■場所 そごう千葉店(千葉駅前)7階美術画廊

準備にまるまる3ヵ月かかりました。
出品するものの企画(プランナー)から始まり、作る人になり、
最後は電気窯とガス窯を駆使する工場長・・・。
じつは、今日も最後の焼成を行なっています。

「あんた(まだ)焼いてんのね!だから(準備を早めにと)言ったじゃないのぅ~♪」
大昔にラジオで聴いた歌を思い出したりしながら、焼いてます!

以前、私の作るものを「花鳥風月ですね」とおっしゃった方がいます。
そうではないとその場では言えなかったのですが、違和感が残りました。
自分は何を描いているのだろうと考えました。
どうやら私は無意識のうちに、「小さないのち」を描いているようです。
描いてきたものを見渡すと、それが共通項だったことに気づく、ということですが。

スケッチは以前から折々にしていましたが、
阪神大震災のあと、スケッチブックに描く野の花や草が一気に増えました。
描くことは見ること。見ることは対話すること。

地球の先住者である植物には、ハッとする多くのことを教わります。
たとえば、植物には「あきらめる」という選択肢がないこと。
種が落ちた場所が、どんなに恵まれていなくても、誰を恨むことなく光を求めます。
遺伝子の研究がすすんで、植物の遺伝子が人間にも伝わっていることが報告された
ときには、感動を覚えました。

個展の準備に5月、6月、7月と3ヵ月かかりきりになりました。
植物を描きながら、今回はとくにいのちの逞しさを思いました。

期間中、毎日在廊の予定です。
懐かしい方、そして新しい方との出会いを楽しみにしています。

さ、最後の窯焚きに戻ります。

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■津田沼陶芸教室(主宰・林寧彦)は、8月は夏休みです。
 http://www.ne.jp/asahi/yasuhiko/hayashi/tsudanuma/studio.htm

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残暑お見舞い申し上げます!

千葉そごう7階美術画廊で開催した「林寧彦陶展(8月2日~8日まで)」が、
無事終了しました。
猛暑の中、お運びいただき、ありがとうございました。
(伊丹から日帰りというお客様もいらっしゃいました)

個展が始まる週間前までは、各方面に謝ってなんとかお断りできないものかと
本気で思うほど追いつめられました。
土と新しく調合した釉薬の相性が悪くて・・・・
工房の中で叫んだりしていました。

一念岩をも通すと言いますが、なんとか調合の調整が間に合いました。
最後は二つの窯が冷める間もないフル稼働になりました。

いざ会期が始まると楽しく、終ってしまうのが惜しいと思えるほどでした。
様々な励まし、ご助言もいただきました。今後の糧にいたします。

出来上がり展示したものの幅は、自分の興味の幅そのもので
限界であると同時に、それが自分に見えている範囲なのだなぁと自覚しました。

3ヶ月の準備期間、格闘が続きました。今はただ茫然とした日々の中にいます。

残暑が続きます。ご自愛ください。



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