あれから一週間が経って、思い出したことがある。
震度6弱の揺れが襲ったとき、作品を作っていた会員は5名だった。
教室の1階部分の上、3分の1ほどのスペースに中2階がある。
落下物に備えて、その下にみんな集まった。
吹き抜けでは、4つのライトが、吊り下げられたオモチャの飛行機のように
グルグル旋回していた。
大シャッターが揺さぶられて、町工場の旋盤機械が何台も稼動しているような
唸り声があがる。
頭上に雷が落ちたような轟音が2度響いた。
展示していた大壷が転がり落ちて割れた音だったことがあとで分かった。
ふと見ると、男性が一人吹き抜け側に立っている。
落下物に当たったら、大怪我をする!
あわてて中2階下に入るように言った。
そうした中、ひとりの女性が、つっと出入り口のほうに向かった。
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そこは吹き抜けだ。
彼女は出入り口のドアをスライドさせた。
「あぶない!何をやっているんだよ、こんなときに!」
その時はそう思った。
こちらに来るようにみんなで呼ぶと、小走りで戻ってきた。
出口を確保するためだったと気が付いたのは、しばらく経ってからだ。
窯を焚いていなかったから、火災の心配はまったくしていなかった。
でも漏電から火災になることは、じゅうぶん有り得た。
それに備えて出口を確保することは、教室の主宰者である僕が
いちばんにしなくてはいけないことだったのだ。
あとで、その勇気に礼を言った。
「実家は古い建物で、地震があると玄関が開かなくなるから、
揺れたら当たりまえのように開けるんです。ですから、癖になってるんです」。
気負わない答えが、カッコ良かった。
地震のとき、あんなふうにすっと動けた人があちこちにいて、
多くのいのちが救われたのではないだろうか。
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2010年の沈殿した釉薬をかき混ぜるのコメントです。
パリで陶芸教室を開いています。私も30種類ほどの釉薬全部を自分で調合しています。原材料に含まれる成分が日本のものと違うため、日本の調合例が全く役に立ちません。ゼーゲル関数も全然役に立ちません。テストを繰り返すのみです。いい色が出来たら、コーヒーカップくらいの茶碗を作ってサンプルにしています。生徒さん達に具体的なイメージを持ってもらうためです。それと、フランス人は2色を重ね掛けにするのが大好きで、新しい色が出たとか、流れたとか喜んでいます。
釉薬を作る時、カオリンの合計%の内2%をベントニットにします。つまり、カオリン10%ならカオリン8%+ベントニット2%にします。ベントニットの細粒が釉薬原料の沈下を防いでくれます。1か月くらいほっておいても、柔らかい釉薬のままです。お試しください。
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